レコード
レコード屋の言葉:第5回 〈音のヨーロー堂〉
「ご高齢になって、あまり外出することがなくなっていた方々が、演歌男子によって、みんな乙女に戻ったんです。“ 私も化粧して、着飾って、アイドルを応援していいんだ。もう1回、青春しよう!”って」
ニール・ヤング 粗悪な音源を垂れ流すテクノロジーとの闘い
音楽は、人間の魂の滋養になるが、ストリーミング・サービスが提供するMP3のクオリティだと、私たちは、音楽に含まれる栄養の、ごくいち部しか得られないと彼はいう。神から授かった、魂の権利を、金満企業家たちに奪われようとしている。ニール・ヤングは、その状況と闘っている。彼にとって、闘わない、という選択肢はない。
レコード屋の言葉:第3回 〈next. records〉
「〈木造 レコード 床抜け〉って検索したら、実際に床が抜けた事故がヒットしたんですよ(笑)。それからは、お客さんが5人くらい来店されただけでもドキドキしていましたし、床が落ちる夢を何回も見ました(笑)」
昨今のレコード人気は定着するのだろうか
ホールフーズ・マーケットの片隅に新設されたレコードコーナーを初めて見たとき、私はひどく気落ちした。無農薬ケール、キヌア、変な形の人参など、結局使わずに冷蔵庫のなかでダメになる野菜でいっぱいのカートを押していると、私の脳裏を最悪のシナリオを次々と横切った。そして、ビジネスパートナーにメールした。「ああ、俺たちもう駄目だ!」
お店にレコードを売るための初心者ガイド
「これでいくらいになりますか?」。ひとりの女性が段ボールに詰めたレコードを抱え、ニヤニヤしながら私の店にやってきた。この種の持ち込みの後は、必ず論争が起こるのを私は知っている。
カナダからみるレコード製造業界事情
生産が追いつかない。納品は遅れる。機械は古い。交換部品も無い。メンテナンス技術者の不足。売り逃し。価格も上昇。店の棚は空になる。そして客のイライラは募る。これこそが2016年のレコード事情。音楽業界では、この悪循環をクリアすればサクセスストーリーに繋がる。
サーストン・ムーアのオタク道 ブラックメタル&カセットテープ編
サーストン・ムーアは、音楽オタクたちの「守護聖人」だ。彼の存在はもちろん、彼のこれまでの活動も見事にそれを物語っている。音楽の境界線を広げ、音楽の可能性を実践し、そしてたくさんの音楽を聴きまくりながら、30年以上もこのシーンに君臨している最高のオタクだ。
アナログ盤の流行を素直に喜べない エレクトロニック・ミュージック界隈
「そこには、過去の名盤だろうが、EDMだろうが、人気のレコードをストックする金がある。若者に、レコードと一緒にパンツを一本買わせるんだ」「客が何を買うか、それは企業にとって重要ではない。レコードは利益のためでなく、より大きなアイテムに目を向けさせるツールだ。連中が売る音楽は、音楽ファンのための音楽じゃないんだ」